今日の読書『猫を処方いたします。』

京都出身の作家、石田 祥が執筆し、 下田栄美マディソンが英訳した大人気小説『We’ll Prescribe You a Cat』では、京都を舞台に、猫中心で、遊び心にあふれ、驚くほど親近感のわく、風変わりな物語が展開する。
その中心にあるのは「こころの診療所」で、気の向くままに現れたり消えたりする奇妙な場所だ。本当に癒しが必要な人にしか見えない。
その診療所を見つけると、ひときわ重いドアと、ほとんどすべてを笑い飛ばすような医師が出迎えてくれる。
診察が終わると、渋る “患者 “に処方箋が手渡される。キャットフードの紙袋と、その猫との付き合い方についての個人的な説明書は、帰り際に受け取ることになっている。
新しくペットを飼う人たちは誰も、自分の選んだ猫がそんなに長生きするとは思っていない。そして彼らは皆、間違っていないのだ。
物語は5つの章に渡って茶目っ気たっぷりに展開され、それぞれが猫に捧げられている:ビー、マーゴット、小雪、タンクとミカン、そしてミミータだ。
本の中で常に繰り返される「5」という数字は、日本では文化的な重みがあるようで、五感や五行など、バランスと調和を示唆している。
「猫はたいていの問題を解決できる」とドクターは言う。多くの場合、猫はその解決策と同じ問題を作り出す。
ある物語では、不眠症で働きすぎの男性が登場し、また別の物語では、女性が自分自身を信頼することを学ぶという、すべての物語に共通するテーマが描かれている。物語は次第に単純なものから複雑なものへと変化していく。
それぞれの物語は独立しているが、すべてが同じテーマを探求している。ネコがいかに人生を破壊し、また回復させることができるか、しばしば同時に、その過程で肉球の形をした痕跡を残すことができるか、である。
この本は、かわいらしすぎたり、キッチュになりすぎたりするのをどうにか避けている。この5つの物語とともに、9つの人生すべてを過ごしたいと感じることだろう。
最後のページをめくると、もっと長居したくなるだろう。心配ご無用、続編『We’ll Prescribe You Another Cat』がすでに出版されている。
シリーズ第3巻もすでに日本で発売されており、英語版も近々 “Welcome to the Kokoro Cat Clinic” として出版される予定だ。






