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ヒズボラの武装解除を求める国民の支持拡大がレバノンに決断を迫っている

ヒズボラの武装解除を求める国民の支持拡大がレバノンに決断を迫っている
2025年11月19日、レバノン南部のデイルキファ村の建物を標的とした、イスラエルの空爆の現場を確保するレバノン軍兵士。(AFP=時事)
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23 Dec 2025 12:30:06 GMT9
23 Dec 2025 12:30:06 GMT9

カレド・アルカワルデ

ドバイ:レバノン政府は最近、軍に対し、全ての武装勢力の武装解除と国家の武器独占権に向けた計画を策定するよう指示した。これはヒズボラの武装解除に向けた動きと広く解釈された。

しかし、ヒズボラに対し残存する武器を放棄するよう、国際社会が求めているにもかかわらず、この動きは政治的な報復合戦を引き起こし、今や同国を新たな内戦に陥れる恐れがある。

イスラエルによる南部空爆が続き、アメリカが圧力を強める中、ジョセフ・アウン大統領とナワフ・サラム首相は、弱体化したヒズボラに武器を放棄させることで国民の支持を得ようとしている。

ベイルート南部のヒズボラ拠点や、バールベックのような都市を除く全国1,010人を無作為抽出したギャラップ社の最近の世論調査によると、レバノン国民はこの動きに大方賛成している。

2025年8月5日、レバノン大統領府報道室が発表した配布写真。ベイルート東部のバアブダ大統領府で、ヒズボラ武装解除問題を話し合う閣議で議長を務めるレバノンのジョセフ・アウン大統領(C)。(AFP)

回答者の約79%が、レバノン国家が武器を保持する排他的権利を支持すると世論調査に回答した。反対はわずか19%だった。

ヒズボラの政治的基盤を形成しているレバノンのシーア派では、この武装勢力の武装解除に反対との回答が69%であったのに対し、賛成は29%であった。

「レバノン及び周辺地域におけるヒズボラの影響力拡大に伴う長期化した紛争は、多くのレバノン人にさらなる武力衝突への警戒感を抱かせています」と、マッコーリー大学講師で中東専門家のマリアム・ファリダ博士はアラブニュースに語った。

「とはいえ、ヒズボラが武装解除することへの国民の支持が顕著であると報告書は示しているにも関わらず、多くのシーア派住民は依然として躊躇しています」と同博士は続けた。

2025年12月18日、レバノン南部のアルカトラニ郊外を標的としたイスラエルの連続空爆現場から立ち上る煙。(AFP=時事)

「これは、ヒズボラの武装が、特にイスラエルからの外部的脅威に対する必要な抑止力として、また強力で有能なレバノン政府が存在しない状況下で彼らのコミュニティを守る手段として機能するという信念に根ざしています」と同博士は語った。

2024年11月の停戦以降、イスラエルは撤退義務があるにもかかわらず、国内各地のヒズボラ拠点とみられる場所への空爆を継続し、南部にある5つの戦略的丘陵地帯を占拠し続けている。

ファリダ博士は、これが武装解除の主な課題であり、レバノンの主権を十分に守れることを証明するために、強力なレバノン軍が必要であると述べた。

とはいえ、政府の武装解除の動きに対する国民の支持の高まりは、「政府機関を強化したいという集団的な願望 」の高まりから生まれたものだと同博士は考えている。

2025年9月27日、ベイルート南郊で行われたイスラエルによるナスララ師暗殺1周年の式典で、殺害された長年の指導者ハッサン・ナスララ師(右)と現指導者ナイム・カセム師(左)の写真を手にするレバノンのシーア派組織ヒズボラの支持者。(AFP=時事)

国民の支持は、同国が直面する多面的な危機に起因している可能性が高い。国際通貨基金(IMF)はこれを、長年にわたる不適切な管理、汚職、脆弱な統治、持続不可能な経済モデルによって引き起こされた深刻な「人為的」不況と特徴づけている。

これは、パリ政治学院の中東研究講師であり、ベイルートのサン・ジョセフ大学教授でもあるカリム・ビタル博士の意見であり、レバノン国民のために具体的な結果を出せないヒズボラへの不満が高まっているという。

「ヒズボラが、そろそろ自己批判を行うべきだという意見もあると思います」と、ビタル博士はアラブニュースに語った。

「レバノン国内の腐敗と戦わず、強靭で力強く生産的な経済を築かず、南レバノンの人々を守り爆撃から身を隠す場所を提供することもできず、イスラエルとの戦争に突入したからです」と、同博士は続けた。

2022年7月27日、レバノンの首都ベイルートの送金オフィスで接客する従業員。(AFP=時事)

さらにビタル博士は、ヒズボラがレバノン全土の紛争に積極的に関与していることや、国内の政治的暗殺や汚職に関与していることから、レバノンとその安全保障に対するヒズボラのコミットメントに疑問が高まっていると述べた。

「ヒズボラがイスラエル情報機関にスパイされていた事実は、当初は同組織を強く支持していた人々からも、同組織に対する不満を増幅させています」と、同博士は述べた。

「なぜ、ヒズボラが、バッシャール・アサド前政権と共にシリアで戦うことを余儀なくされたのか理解できなかったのです。なぜ、レバノンでこれほど多くの政治的暗殺が起きたのか。なぜ、ヒズボラが自らの武器をレバノン人に対して用いたのか」と同博士は続けた。

ビタル博士は、当初イスラエルのレバノン南部占領終結を求める闘争に、ほぼ満場一致の支持を得ていた同組織が、長年にわたる傲慢の犠牲となり、それが崩壊を招いたと述べた。

2024年10月20日、ヒズボラとイスラエルの戦争が続く中、レバノン東部の都市バールベックで、避難民に配給する食事を分けるボランティアたち。(AFP=時事)

しかし同博士は、ヒズボラが歴史的に権利を奪われてきたシーア派コミュニティの地位向上に果たした重要な役割を認めた。

長年にわたり、ヒズボラはレバノンで重要な社会的・市民的役割を果たしてきた。

慈善団体や社会施設のネットワークを通じて、病院、診療所、学校、食糧支援プログラムを運営し、何千もの家族に医療、教育、基本的支援を提供してきたのだ。

「南部とベカー地域は貧困にあえぎ、中央当局から忘れ去られていました。唯一の例外は、1960年代のフアド・チェハブ元大統領で、これらの地域を統合し、ある種の支援を提供しようとした最初で唯一の大統領でした」と、ビタル博士は語った。

2025年7月3日、レバノン南部の都市ティールのスークで買い物をする人々。(ロイター)

「2006年の戦争直後、(元ヒズボラ指導者)ハッサン・ナスララ師が非常に重要な演説を行いました。彼は『靴磨きだった時代には決して戻らない』と言ったのです。これは、キリスト教徒のエリート層やスンニ派のエリート層がレバノンのシーア派を見下していた時代を指しています」と、同博士は続けた。

ヒズボラは従来、レバノンを守りパレスチナ問題を支援する、イスラエルに対峙する上で必要な「抵抗軸」の一環として、武器保有の必要性を正当化してきた。

しかし、現在では多くのレバノン人がパレスチナの大義に対する武力支援に批判的である。世論調査の回答者の10%が、イスラエルとの直接的な対立を通じてレバノンがパレスチナを支援すべきである、と考えているのに対し、86%は支援すべきではない、と答えている。

同博士は、これは最新のイスラエル・ヒズボラ戦争の成果が得られなかったこと、レバノンにもたらされた破壊と避難民の発生、そしてパレスチナ紛争の国際化が進んだことによるものだと述べた。多くの人々は自国を最優先に扱ってほしいと考えている。

2025年12月4日、レバノン南部のアル・ムジャデル村を標的としたイスラエル軍の空爆現場から立ち上る煙。(AFP=時事)

「レバノンは、過去数十年間に渡って非常に大きな代償を払いました。レバノンは国際地政学上における緩衝国家であり、あらゆる地域勢力や国際勢力が対立を解消する場となっていました。しかし、この状況がレバノンを破壊しただけでなく、パレスチナ人の境遇を実質的に改善しなかったことを悟ったのです」とビタル博士は述べた。

「(パレスチナ人のための)戦いは、マンハッタンや欧州の大学で世論を勝ち取るために行われるだけでなく、真に自衛能力を備えた国家を築くことのできる、レバノン経済を強化することによっても展開されています」と、同博士は続けた。

とはいえ、イスラエルとの武力衝突が唯一の解決策だと考える人は依然として多い。

2024年6月20日、ベイルートのハムラ通り沿いのカフェの外に座る人々。(AFP=時事)

ここ数日、サウジアラビア、フランス、アメリカの当局者がパリでレバノン軍幹部と会談し、ヒズボラの武装解除を可能にする仕組みの推進を目指した。これは物議を醸す動きであり、国民の支持の有無にかかわらず、政治的な反発を招く可能性が高い。

ビタル博士は、計画を成功させるためにはレバノン政府が「包括性」と「万人のための国」というメッセージを確実に伝えられるようにすべきだと述べた。「越えてはならない非常に繊細な一線がある」と、同博士は語った。

「シーア派は、レバノン政治において今後も重要な利害関係者であり続けるという確信を持つべきであり、もし彼らが大量の武器を放棄したとしても、それが過去のように再び二級市民に追いやられることを意味しないと理解すべきなのです」と、同博士は結んだ。

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