「人々は想像もできないほど苦しんでいる」:アル=アラビーヤ記者がスーダンの惨状を語る

リヤド: アル=アラビーヤのアンカー、ラヤル・アレクティアール氏は事実上の大統領へのインタビューを目的にスーダンに到着した。現地で過ごした6日間にわたる過酷な日々の中で彼女が遭遇したものは、暴力と生存、そして言語そのものの限界についての彼女の理解を一変させた。
帰国後、アラブ・ニュースの取材に応じたアレクティアール氏は、目撃した光景を「巻き添え被害」や「戦争の混乱」ではなく、はるかに意図的で組織的なもの——「ジェンダーと民族的ジェノサイド」と表現した。
彼女が目にしたのは、男性を標的とした殺害作戦と女性への集団レイプであり、それによってコミュニティ全体が崩壊し、何百万もの人々が避難を余儀なくされた。「人々は苦しんでいます。想像を絶するほどの苦しみを味わっています」と同氏はアラブニュースに語った。
「まず、難民キャンプで避難生活を強いられている人々について話します。そこに到着した女性の半数がレイプ被害に遭っていました。私がキャンプで出会った女性達です。彼ら(民兵組織)にとって、これは女性たちを自らが支配する戦域から脱出させる前に必ず行わなければならない行為のようです」と同氏は続けた。
「女性の中にはかなり年配の人もいれば、若い少女、非常に若い少女、13歳、14歳、15歳、16歳の少女もおり、彼女たちは自分が誰の子を産んだのかさえ分かりません。なぜなら、3人か4人、もしくは複数の覆面をした男たちにレイプされたからです」とアレクティアール氏は語った。
2023年4月に紛争が勃発して以来、スーダン軍(SAF)と即応支援部隊(RSF)の権力闘争によって引き起こされたスーダンの内戦は、何百万人もの人々を避難させ、殺人と性的暴力の痕跡を残している。

男性は救助地点に到達する前に殺害され、女性や少女はしばしば手術を必要とするほど激しいレイプ被害に遭う。母親が子供を抱きしめたまま死亡しているのが発見される。集団レイプによる妊娠が広範囲に発生している。
彼女にとって、これは抽象的な報道ではなかった。彼女が目撃した事実なのだ。
アレクティアール氏は12月2日、スーダン軍(SAF)のトップであり、スーダンの事実上の大統領であるアブドゥルファッター・アル・ブルハン氏を取材するため、ポートスーダンを訪れた。
しかし、大統領の事務所の要請により、インタビューはハルツームで行われることになった。ハルツームは空港インフラが機能しておらず、3月にようやくRSFから奪還されたばかりだった。
アレクティアール氏は、カメラマン、プロデューサー、運転手という少人数のチームで、ポートスーダンから首都までの過酷な12時間のドライブに挑んだ。
「ある地域から別の地域を見渡すと、その違いがわかります。落ち込みがわかります。人々の顔に、街に、至る所にそれが表れています。そして戦争の影響がわかるのです」と彼女は語った。
破壊は心理的にも、物理的にもみられた。「道路脇で、焼け焦げた車やRSFのトラックさえも、数多く目にしました」
彼女を最も不安にさせたのは、破壊の規模だけでなく、それがスーダン人によってスーダン人に対して行われた、という事実だった。
「私が彼らから聞いた話は、人間である者がそんなことをするはずがない、絶対にありえない、不可能だと思わされました。そして街の様子、ハルツームが破壊された様子は、自国民がこんなことをするはずがないと。狂ってます」と彼女は語った。
旅の途中、アレクティアール氏は可能な限り現地の人々に話しかけ、彼らの生活を蝕んだ戦争から何を求めているのかを尋ねた。
「彼らは戦争を望んでいません。間違いなく平和を望んでいます。皆がそれを望んでいます。しかし同時に、RSFの指導下に置かれることも受け入れられないのです。彼らにとってそれは絶対にありえないことなのです。これは、私が話した全ての人々から聞いたことです。それ以外の意見はありませんでした」と彼女は続けた。
スーダン国外では、この紛争はしばしば短いニュース速報で放送される。アレクティアール氏は、そうした報道は現実が矮小化されていると指摘する。現地の実情を報道が反映しているかと問われると、彼女はためらうことなくこう答えた。「いいえ、全く違います。全くです」
家が破壊され、銀行が略奪され、燃やされ、貯蓄は帳消しになった。UNHCRによれば、860万人の国内避難民を含め、1300万人近くが家を追われている。

ポートスーダンからハルツームへの道では、殺害された人々の規模を無視することはできなかった。彼女は、道すがら急ごしらえで埋められた死体や、まったく埋葬されていない死体に引き寄せられたハエの大群をあちこちで見たと回想する。
彼女が同国に滞在した6日間、彼女のチームはアル・ダッバに立ち寄った。そこではUNHCRの避難所が避難民を保護している。そこで目にした光景は今も彼女の心に焼き付いている。「一点だけ強調したいことがあります。それは非常に憂慮すべき事態です」と彼女は語った。
「ここで目にしたのは、女性と子供だけでした。男性は一人もいません。見かけた男性は皆、非常に高齢でした。これはジェノサイドです。彼らは、全ての男性を殺しているのです。男性は外に出ることができません」と彼女は続けた。
「動画で見たものは、現実でした」とアレクティアール氏は語った。ソーシャルメディアで拡散されている、残虐行為の生々しい映像を指してのことだ。「あれは単なる一つの動画で、現実は違うなんてことはないのです。そうです、あれは現実でした」と続けた。
「これはジェンダーと民族の問題です。まさにジェノサイドです。私は、単にこの単語を使いたいがためにジェノサイドと表現してる訳ではありません。スーダンで起きていることは、事実ジェノサイドなのです」と彼女は断言した。
避難所での生活は物資不足に支配されていた。着替えはなく、物資もほとんどなく、ほとんどの人は地面に直接寝ていた。国連は対応に追われているとアレクティアール氏は述べたが、これほどの規模の避難民発生は予想していなかった。
彼女は、泣き叫ぶ赤ん坊を抱いた女性たちで満員のバスが到着するのを見かけた。なぜ乳幼児が泣いているのかと尋ねると、答えは驚くほど単純だった。
「お腹が空いているからです。母乳を飲ませようとしているけれど、私たちも食べていないから母乳がでないのです」と彼女に訴えた。飢えと疲労で衰弱した女性たちの体は、もはや母乳を出すこともできなかった。
国連スタッフは、資金不足のため資源が不足している、とアレクティアール氏に語った。RSFの戦闘員も主要道路を封鎖し、援助を最も必要としている人々に援助物資が届かないようにしていた。
アレクティアール氏は、もっと避難所に滞在する時間があればよかったと語った。
女性たちがキャンプで語ったことは、今も彼女を苦しめている。レイプの生存者たちは、加害者たちから人間性を奪われ、奴隷として扱われたと語った。「心理的なレベル、人間的なレベル、あらゆるレベルで、彼女たちには助けが必要なのです」と彼女は語った。
「女性たちがこの先どうやって生きていくのか、私にはわかりません。話せない人もいます。彼女たちは座って私を見ていました。一日中泣き続ける人もいました。テントの外に出ない人もいました。子供を連れている女性もいました。彼女らは、その子供たちが誰の子なのかも知らないのです。なぜなら、道中でその子供たちを見つけ、子供たちだけだからと避難所に連れてきたのです」とアレクティアール氏は続けた。
「ある女性は、殺された母親の腕の中から子供を連れてきたと教えてくれましたが、その子は3歳になっても話すことができず、言葉を失ってしまったと。あまりにも多くの悲劇があります、多すぎます。問題は、戦争がまだ続いていることです。何万人、何十万人という話ではありません。何百万人という規模なんです」と彼女は続けた。
アレクティアール氏は、スーダンへのさらなる制裁が必ずしも解決策になるとは考えていない。

「国際社会、各国は今、スーダンへの制裁を発表していますが、それだけでは不十分です。現地の人々が必要としているのは支援、人道支援であり、この戦争を止めるためには世界全体からの真の支援が必要です。なぜなら、これは普通の戦争ではないからです。ある民族全体が殺されています。ある地域のアイデンティティを変えたいがために、殺されています。これはジェノサイドです」と彼女は語った。
国際的な制裁は、大量殺戮や組織的な性的暴力で告発された個人を標的にしている。英国は、エル・ファシャーでの虐待をめぐり、RSFの上級司令官を制裁した。
一方、米国は、呼吸器官に致命的な損傷を与える化学兵器である塩素ガスの使用を理由にスーダン軍(SAF)を制裁している。
現場での自身の経験について尋ねられたアレクティアール氏は、清潔な水の確保が、現実的な最大の課題のひとつだと答えた。
ほとんどの水は黒く濁り、汚染されていて、「シャワーを浴びるというは選択肢はありませんでした」と彼女は語った。
彼女は目撃している光景に圧倒され、ほとんど食事をとらなかった。
「正直なところ、現地ではずっと泣いていました。帰国後、二日間体調を崩していたんです」と彼女は語った。
「そして今は、他人の苦しみを目の当たりにすると、自分が持っているものに感謝するようになりました。彼らは私の人生観を変えてくれました。私を大きく変えてくれました」と同氏は結んだ。






